daigocoliの個人的な話

個人的な話なので異論は認めません。

22年目の告白

2017  サスペンス・アクション

 

藤原竜也伊藤英明が主演を務める。

元は韓国の映画であり、そのリメイク作品である。

 

結論から言えば、面白くなかった。

矛盾点や違和感があることや、サスペンスにも関わらず犯人が"起"の段階で読めてしまったからだ。

 

 

感想の記事にネタバレされると面白くなくなると記載されていたので、予めご了承ください。

 

①「私が犯人です。」と藤原竜也(以降F)が時効を機に登場するシーン

→もしFが犯人であればサスペンスではないので、Fは犯人ではないとわかる

 

②犯行を自供したFに、若い女性ファンがたくさん現れるシーン

→普通に考えて猟奇的な犯人に大勢のファンができることはあり得ない

 

③犯人は犯行を録画していて、犯行の様子を被害者の家族に直接見させていた

→つまり犯人の姿は目で直接見えていて、実況見分を行えばおよその身長がわかる。さらに人間は不思議な生き物で変装する際に靴は変えないことが多いので、見えているなら何か掴めたはずである。

→犯人は185 cmの長身であり、日本人の身長180 cm以上は 7 %である。また185 cm以上に至っては 1 %であり、特定が容易なはずである。

 

④犯人は刑事である伊藤英明(以降I)と対峙し、走って逃げ銃で肩を撃たれている

→③と少し被るが、刑事は犯人が高身長であることや自身がすぐに追いつかないくらい走るのが速いという事実から、180 cm以上かつ比較的若いということを掴めるはずである。

→一般的な話になるが、捜査するにあたって関係者を疑うのが定石であり、国内の180 cm以上の人物を疑い出したら迷宮入りしてしまう。また、シリアルキラーは最初の犯行が鍵であり、土地勘がある場合が多いはずである(作中にはこういった推理シーンはない)。これらのことから、15年も捜査できるのであれば、なおさら犯人に辿り着くことは容易なはずである。何故なら犯人は家族を殺された遺族に取材をしていた記者なのだから。

→結果論になってしまうが、被害者の殺害のシーンを見せていたのは取材するためとわかる。普通は目撃者を作らない、つまり何か目的がある。このことから15年あれば想像はつくはずである。あまりにも無能だよね。

 

* 犯人が予想できた理由について

a: 自供しているF(犯人ではない)

b: 刑事であるI(犯人ではない)

c: 誰もやりたがらないFのテレビ出演を進めた仲村トオル(以降N)

d: 被害者家族(犯人ではない?)

序盤の段階で主に登場しているのはこれらの人物たちである。

→Nほどの俳優さんを脇役にするだろうか、いやしない。絶対に重要人物である。(メタ考察)

→サスペンスは伏線回収が大事であるため、犯人は序盤の段階で出ている可能性が高い。(メタ考察)

→出演者一覧の1番下に載っていた。(メタ考察)

 →他に目立った登場人物がいないし、捜査系の作品であれば後に犯人が出てくるパターンもあるがそういった作品ではない。(メタ考察)

⇒ つまりNが犯人では?と予想できる。

 

⑤ 犯人Nの別荘にFが侵入した。Nの別荘を取材をしに来たカメラマンとインタビュアーの2人と共にNはやってきて、犯行の録画が保存されている場所で、対峙した。

→ FはNをナイフで刺したり、首を絞めたりしているにも関わらず、取材班は逃げない・喋らない・手も出さない置物になってしまう。意味が不明である。その状況で置物になれる方が怖い。

→ 刑事Iがやってきて時効ではなく逮捕できるという事実を伝える。しかし、これを言われてNの殺害を止めるのか。Fは必ず殺すと直近に発言していて、殺すのではないだろうか。

 

⑥Fは戸籍を変え、整形もしていた。しかしその前は関西弁であり、高所から飛び降り自殺を試みた。

→ 人って犯人を殺すような興奮する状況では生まれながらの言葉を発してしまうものです。変身したFは一切関西弁を話しませんでした。まるで別人のようですね、別人ですよね?

→ 高所が思ったよりもしっかり高所なんです。腕や脚が僅かでも不自由になってるのでは?と感じるのです。変身したFは元気に不自由なく動いていました。あれ、やっぱり別人…?

⇒ つまり、構成が雑というか、矛盾してない?と感じるってことです。

 

⑦Fが真犯人ではないことを知っていたのは、刑事Iと被害者家族の1人(医師)のみであった。

*殺された被害者は5人いる

→ 私が犯人です、と名乗り出れば命を狙われる可能性があるのは自明である。被害者の中には893がいるにも関わらずだ。実際に命を狙われるシーンが複数ある。

→ これはFが犯人であると映画を観ている私たちに思わせるためだと考えられる。また、被害者全員と通じている設定の方がリアルであり、この作品は無理がある気がする。身内から騙さないとダメってか?

 

*感想

時効だから犯人が名乗り出るという設定は面白い。ただ、疑問点が多いことや構成が微妙なので、個人的な評価はかなり低い。というよりも、面白く感じたのは時効だから犯人が名乗り出るという設定のみであると表現しておこうと思う。